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読書録K

本に出会う歓びを、誰かと共有したい書評ブログ

トランプを生んだ「絶望の吹きだまり」―「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」

トランプ氏が、どうして米大統領になれたのか。その背景に「ラストベルト」(錆び付いた地帯)と呼ばれる衰退した工業地帯がある。黒人やヒスパニック系移民が、米社会のマイノリティかと思っていたが、ラストベルトの白人労働者こそ鬱屈した閉塞感を抱えて…

ポケモン化するメディア、その見取り図―「ネットメディア覇権戦争」

情報を伝える・受け取るための「メディア」は、まるで一つの生態系をつくっている。NHKの速報テレビニュースや新聞各社のネット速報が発信されると、「ヤフーニュース」「ライブドアニュース」のトップトピックスにも表示され、新興メディア「バズフィー…

プーチンの心臓と犬笛―「ユーラシアニズム ロシア新ナショナリズムの台頭」

なぜこの人は、ムキムキマッチョ、筋骨隆々なのか。独特の威圧感を備えているのか。見る度に不思議が募るのが、ロシアのプーチン大統領だった。昨年秋、安倍晋三首相の地元・山口に来訪するニュースを機に、疑問を解消しようと書店を見て回った結果、手に取…

黒人という長い長い轍を生きよう―「世界と僕のあいだに」

生きていくということは、過去を積み上げていくことだ。20歳なら20年。たとえ生まれて1日であっても2日であっても、今日まで生きた日数の上に人生がある。その時間の中の、思い出、楽しみ、苦しみ。まるで足跡のように、過去はたしかに消えないものと…

痛みはその人のものだ―「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」

傷つくことと、傷つけられることは、どう違うのだろう。それは同じ傷であっても、同じ痛みではない。本書「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」は、誰かから暴力を受けるということが一体何を意味するのか、「暴力を受けた側」の言葉で、それも当人たちの…

音楽海賊一代記―「誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち」

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち 作者: スティーヴン・ウィット,関美和 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2016/09/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 泥棒、強盗、窃盗犯、盗人。盗む人の呼称は…

被害者が責められる犯罪―「ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度」

ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-12) 作者: ジョン・クラカワー,菅野楽章 出版社/メーカー: 亜紀書房 発売日: 2016/09/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 大切な人の命を奪わ…

羅針盤をインストールせよ―「AI時代の人生戦略 『STEAM』が最強の武器である」

AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である (SB新書) 作者: 成毛眞 出版社/メーカー: SBクリエイティブ 発売日: 2017/01/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る STEM、あるいはSTEAM、OK Goのすごさ、クオンツ、セ…

資本主義の「次」―「限界費用ゼロ社会」

限界費用ゼロ社会―<モノのインターネット>と共有型経済の台頭 作者: ジェレミー・リフキン,柴田裕之 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2015/10/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る 資本主義に未来はあるのか。取って代わる次の経済シス…

そんな自分も悪くないかも―「非モテの品格 男にとって『弱さ』とは何か」

非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か (集英社新書) 作者: 杉田俊介 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/12/16 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 表紙の帯に漫画が書いてあると、それだけで「ライトな内容なのかな」と疑ってし…

2016年ベストバイ ノンフィクション編

2016年「買って良かった」「読んで良かった」を紹介する、ベスト・バイ。続いてノンフィクション編。 ◎「ブラッドランド ヒトラーとスターリン大虐殺の真実」 ブラッドランド 上: ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 (単行本) 作者: ティモシースナイダ…

トリックスターがいたころ―「バブル1980-1989 日本迷走の原点」

バブル:日本迷走の原点 作者: 永野健二 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/11/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 自分は「バブル」後に生まれた世代であることはなんとなく認識していても、バブルとは一体いつから始まって、なぜ終…

ここも戦場だという叫び―ジャーナリストはなぜ「戦場」へ行くのか

ジャーナリストはなぜ「戦場」へ行くのか (集英社新書) 作者: 危険地報道を考えるジャーナリストの会 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/12/17 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る フリージャーナリストから現役通信社記者、新聞社特派員OBな…

夢を売る男―「トランプ TRUMP REVEALD」

トランプ 作者: ワシントン・ポスト取材班,マイケル・クラニッシュ,マーク・フィッシャー,野中香方子,森嶋マリ,鈴木恵,土方奈美,池村千秋 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/10/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 不動産でもなく…

そのとき、彼は何を語ったか―「総理」

総理 作者: 山口敬之 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2016/06/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 16年近く国会や内閣の動きを追ってきた元TBS政治記者によるルポタージュ。テーマはずばり、「総理とは何なのか」。そして総理た…

「戦前」を線でとらえる―「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫) 作者: 加藤陽子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/06/26 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る なぜ日本は太平洋戦争に突き進んだのか。その道筋を日清戦争、日露戦争からたどっていく本書…