2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧
「近代」は人類に人権をもたらし、産業革命で世界を発展し続けた。しかし「現代」は資本主義や民主主義に行き詰まりが見え、テクノロジーは人間性を奪う脅威として敵対視さえされている。ここから、どんな未来が描けるのか。その一つのルートが「デジタルネ…
人間をいかすための道具が、人間を支配する道具になっている。1973年に出版された「コンヴィヴィアリティのための道具」の問題意識は、現在にあっても色あせていないし、むしろなお、考えるべき問題といえる。 ウィーン生まれの思想家イヴァン・イリイチ…
人間には2つのプロフィールがある。履歴書と、追悼文である。履歴書はあなたがいかに有能かを華やかに語る。一方で追悼文にはあなたが「どう生きてきたか」が表れる。私たちはいつも履歴書を気にするけれど、大切なのは追悼文なんじゃないか、と問うのが本…
日常が息苦しくなったら、小野美由紀さんの小説「メゾン刻の湯」を開くといい。正しさとか、美しさとか、生産性とか。「こうあるべき」だと、世の中が駆り立てる価値観から、遠く離れた場所が見つかる。そこで深く息を吸う。 東京の昔ながらの住宅地に佇む、…
公(パブリック)と私(プライベート)の間には、「共」という空間がある。共を厚くして、長い人生の旅路をもっと生きやすくしていく。そんな考え方を教えてくれたのが、ジャーナリスト佐々木俊尚さんの「広く弱くつながって生きる」だった。 200ページ弱…