読書熊録

本に出会う歓びを、誰かと共有したい書評ブログ

2017-09-07から1日間の記事一覧

会話だけの小説―読書感想「燃焼のための習作」(堀江敏幸)

不思議な読書体験を与えてくれる小説が堀江敏幸さんの「燃焼のための習作」だ。本作には、展開も、伏線も、激動もない。約250ページ、あるのは淡々とした会話だけだ。それのなんと味わい深いこと。本作は話すことそれ自体の楽しみ、深みを教えてくれる。…