読書熊録

本に出会う歓びを、誰かと共有したい書評ブログ

良好な体調維持に直結した3冊

今週のお題「体調管理」

 2017年、この3冊のおかげで良好な体調を維持できた、といっても過言ではない実用書を紹介したいと思います。観点は筋トレ・睡眠・食事の3つ。それぞれ何を意識すれば、どう気をつければいいのか、3冊は具体的に教えてくれます。

 筆者はアラサー(男)、身長173センチに対して、一時は75キロ超、メタボリック体型までいきました。過労以上に不摂生が原因かと。16年夏から少しずつ減量し、17年7月から体組成計によるレコーディングを開始。現在まで体重は62〜64キロ、体脂肪率は15〜17%弱をキープしています(要するに中肉中背)。何より体調はすこぶる良好です。

 

f:id:dokushok:20180114160910j:plain

 

①筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方

f:id:dokushok:20180114170230j:plain

 作者は1988年生まれの実業家Testosteronさん(出版はKADOKAWA)。実際にマッチョであることは背表紙を一枚めくったカバー折り返しの写真で実証されています。110キロから40キロの減量に成功しているのもすごい。

 「筋トレ」および「食事」のシンプルな組み合わせでダイエットが実現、さらには持続するというのが、本書の主張の核心です。

 

 まず、作者が繰り返すのは「日頃から筋トレをしなさい」。筋トレによって「活動代謝」が高まり、日常的な消費カロリーが増えること。テストステロンやエンドルフィンといったホルモンが分泌されることで、メンタル面も向上すること。筋トレによる無数の相乗効果を知れば、今日からでもやってみようと思えるはず。

 加えて揺さぶられたのは47ページ、「本気で痩せたいなら『ランニング』は恐ろしくコスパが悪い」。その理由を科学的に説明してくれる上に、だけどもやっぱりランニング好きなんだけど、という人に「リフレッシュは望めるし、実際私もやっている」と道を残してくれる作者の姿勢がフェアだと思いました。

 

 そして後半では、食事法。これが「マクロ管理法」という超シンプルな手法で、炭水化物、タンパク質、脂質の三大栄養素の総量をコントロールしようというもの。作者は太っ腹(心の広さ的な意味で)なことに、この計算式を本書だけでなくネットでも無料公開してくれている。ですが、その理論的背景は本書を読んだ方がすっと入ってくると思います。

 

 本書の筋トレも食事法も、今日から導入できるのが強み。なお、筋トレの具体的な中身は、マガジンハウスさんのトレーニング雑誌「Tarzan」さんを参考にしました。毎年夏の「30日で痩せる」シリーズや、最近だと上半身・下半身のテッパントレーニング総集編も刊行されています。

 

②SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術

f:id:dokushok:20180114170339j:plain

 作者はミズーリ大卒の健康管理アドバイザー、ショーン・スティーブンソンさん。花塚恵さん訳、ダイヤモンド社。17年は「睡眠負債」というパワーワードで眠り方関係の本はたくさん出たと思います。本書は「どうすればいいか(How)」に加えて「なぜそうすべきか(Why)」まで明快で、腹落ちしながら読めると思います。

 

 たとえば63ページ「カフェインの門限は午後2時」。なぜなら、人体におけるカフェインの半減期が一般的に5〜8時間にもなるからです。つまり午後3時にコーヒーを飲むと、含有するカフェインの半分は午後11時の時点でまだ体に残っている可能性が高い。自分のイメージでは半減期ではなく、完全に体から抜けるまでそれくらいの時間かなと思っていたのですが。覚醒効果は思った以上に継続するわけです。

 

 筋トレの関係で言えば、152ページ「夜の運動は睡眠のためにならない」という指摘もあります。なぜなら、夜の運動は体深部の体温上昇を招き(良質な睡眠には体深部温度を下げることが大切)、一度上がった体温は下がるまでに4〜6時間かかるから。本書を読むまでは会社帰りに筋トレやランニングをしていましたが、読後は反対に、出社前の時間にやるようになりました。

 

 結局、「なぜ」が分からなければ習慣にはなりにくい。なぜなら、納得していない行動は意識的であり、無意識的な行為である習慣まで落とし込めないから、だと思いました。

 

③食品の保存テク もっとおいしく、ながーく安心

f:id:dokushok:20180114170452j:plain

  ラストはどストレートに食事について。慣習は東京農大元教授の徳江千代子さん(農芸化学博士)。朝日新聞出版。

 

 ①で紹介した「最強の食事法」を実践するためには、外食だけではなかなか厳しいものがあります。外食は炭水化物と脂質が過多になる傾向。そこで避けては通れないのは自炊ですが、なかなかハードルを感じるものではないでしょうか。

 

 1人暮らしの自炊は何が嫌かと言えば、自分は「食品を腐らせてしまう」ことでした。まず精神的に、しなびたり変色したり、腐ったりした野菜や果物はインパクトがありますし、それを捨てる罪悪感たるや。買い物代金も無駄にしてしまった気がして、だったら外食で意識的にサラダでも取ろうか、と思ってしまう。

 

 本書はその食品ロスにメスを入れる技術を習得できます。具体的には、「簡単に調理して冷凍する」「保存食化してしまう」

 

 冷凍することで、少なくとも食品が目に見えて腐ることがなくなります。例えば玉ねぎはみじん切りにして、ジップロックの袋に平らにならして冷凍庫へ。肉の保存については147ページなどに「下味をつけて冷凍」という方法がレクチャーされています。さらに、じゃがいもをつぶしてマッシュポテトにしたり、レバーはオイル漬けにしたり。

 

 こう書くと簡単に思えるかもしれません。でも、実際1人暮らしは「なんとなく」冷蔵庫に入れちゃうんです。本書は食材別に「こんな方法も、こんな方法もあるよ」と提示してくれるから先行きを見通しやすい。キャベツが冷蔵保存で2週間もつんだ、とか、生の保存でどれくらいキープできるか分かるのもいい。

 

 食材の保存方法がわかると、不思議と料理自体のハードルが下がり、なんなら楽しくなります。たとえば休日、いつかしまっていた冷凍スライス玉ねぎを使えば、お昼に簡単にパスタを作ったりして、外食1回分が自炊に転換される。その結果、目に見えて体つきが引き締まっていくはずです。

 

 今回紹介した本は、こちらです。「最強の食べ方」のみ個別に感想をエントリーしていたので、そちらもご覧いただければ幸いです。

筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方

筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方

 

 

SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術

SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術

  

 

honto.jp

 

www.dokushok.com