読書熊録

本に出会う歓びを、誰かと共有したい書評ブログ

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

散歩は楽しまなきゃー読書感想「さよなら未来」(若林恵)

行き先もルートもそこで出会う何かも、全てを予想できる散歩を散歩とは言わない。散歩は楽しまなきゃ。「さよなら未来 エディターズ・クロニクル2010-2017」で語られていることは、そういうことだと思う。 「WIRED」日本版前編集長だった若林恵さんが、WIRED…

見えないから見えるものー読書感想「伴走者」(浅生鴨)

目が見えないということは、何も見えないということではない。むしろたくさんのものが見えることを、浅生鴨さんの小説「伴走者」は教えてくれる。伴走者とは、視覚障害のある選手のスポーツで、選手の「目」となる存在。「夏・マラソン編」と「冬・スキー編…

本と本屋を愛する人へー読書感想「これからの本屋読本」(内沼晋太郎)

「これからの本屋読本」は、本と本屋を愛する人へ向けられた本だ。本に関する様々な企画を主宰する「NUMABOOKS」代表で、ビールが飲める書店「本屋B&B」を運営している内沼晋太郎さんの著作。 出版不況、活字離れと言われ久しい。それでも、なぜ我々は本を…

ベゾス帝国を読み解くー読書感想「アマゾンが描く2022年の世界」(田中道昭)

拡大を続けるAmazon(アマゾン)がこれからどんなビジネスを展開するのか。その根幹にある戦略と、リーダーのジェフ・ベゾス氏の思想を読み解くのが、本書「アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる『ベゾスの大戦略』」だ。 極上の顧客体験「…